研究テーマおよび参加プロジェクト
神大プロジェクト(国内)
よく分かっているようで、謎の多い雷の研究。最近になって、雷また雷雲から高エネルギー放射線が発生している観測がありました。まだ詳しいメカニズムを調べるためには十分な観測がありません。神奈川大学でも、キャンパス内に観測装置を設置して観測します。将来はチベット空気シャワーと連動観測を行い、宇宙線との怪しい関係も調査する予定です。
雷雲γ線検出器はこちら
大気電界計はこちら
近年、太陽活動が及ぼす地球気候への影響は少なからずあることが徐々に分かってきました。太陽宇宙線もありますが、太陽磁気圏の変動が地球に到来する銀河宇宙線強度に強い影響を与えていることは様々な観測より示されています。さらにその銀河宇宙線が地球の雲生成に関係していると仮定すると、地球の気候にも何らかの影響を与えているかもしれません。我々はローカルな現象として、宇宙線強度と雲生成の関係を調べていく予定です。
宇宙線観測装置はこちら
雲観測装置はこちら
研究対象にあわせて、測定の方法も測定装置も違います。精密測定を行うためには専用の放射線測定器をメーカーとの共同開発もしくは単独開発を行います。半田付けから基本的な電子回路設計など、エレクトロニクスの最新の知識を総動員します。
放射線観測装置の開発はこちら
測定データの収集およびデータ解析のソフトウェアの開発からモンテカルロ法を用いた物理シミュレーションまで、コンピュータとは長い付き合いになります。様々はOSの使い方からプログラミング言語の習得は必須です。
コンピュータクラスタはこちら
国際プロジェクト(海外や宇宙)
南米ボリビアのサン・アンドレス大学との共同研究。2017年よりチャカルタヤ山の中腹4,740mに空気シャワー観測装置などを2024年には完成させて、南天の銀河中心および銀河面の超高エネルギーガンマ線を観測する予定です。
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東京大学宇宙線研究所ほか国内13の大学および研究機関と中国科学院との共同研究。1989年より中国西蔵自治区羊八井(標高4300m)に空気シャワー観測装置を建設開始して以来、現在に至まで超高エネルギー宇宙線の観測を続けています。大学院生を中心に現地出張し、観測活動を行うとともに、国内にてデータ解析を行っています。
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前述のチベット空気シャワー実験の地下にミューオン観測装置を建設して、100テラ電子ボルト領域の宇宙ガンマ線を観測します。2019年には、かに星雲からの世界最高エネルギーのガンマ線を観測することに成功しました。2021年にはペバトロン候補未同定天体が銀河面上に集中していることを突き止めました。
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極限宇宙を探る観測として、10の20乗電子ボルトを越える宇宙線(最高エネルギー宇宙線)の探索実験を米国ユタ州の砂漠で行っています。東京大学宇宙線研究所を中心に米国、韓国、ロシアが参加した国際プロジェクトです。神奈川大学では有働慈治准教授が中心になって研究を進めています。
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